AIサーバー冷却システム

AIサーバーの冷却回路システム（ラジエーター、マニホールド、EPDMホース、バルブ、継手、コールドプレートなどの部品）は、高い清浄度が求められます。その主な理由は以下のとおりです。

1.粒子詰まりの防止
微細な粒子が冷却システム内の微小な流路（ラジエーターのフィン間や液冷システム内のマイクロチャンネルなど）を詰まらせる可能性があります。これにより放熱効率が著しく低下し、サーバーが過熱、さらにはハードウェアの損傷を引き起こすおそれがあります。高性能AIサーバーは消費電力および発熱量が極めて大きく、密閉キャビネット内で冷却効率が低下すると、システム全体に深刻な影響を及ぼします。

2.擦傷および摩耗の防止
冷却液が密閉空間内を循環する際、金属・非金属を問わず粒子が存在すると、精密な冷却回路内部やポンプ部品を傷つける・摩耗させる可能性があります。これにより部品寿命が短くなり、冷却液の漏れや装置の損傷につながるリスクが高まります。

3.短絡（ショート）の防止
金属粒子は導電性を持つため、プリント基板や電子部品付近に侵入すると、短絡を引き起こし、システムの故障や破損の原因となります。

4.腐食の防止
一部の金属粒子は電気化学的腐食を誘発し、冷却システム構成部品を劣化・損傷させることがあります。